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吉元れい花「幻花」努力賞

刺繍の作品である。赤の中に色彩の変化があるが、同じ糸を使っていて

その刺繍の疎密などによるものだそうである。

その糸が集まって花を作り、花が蝶になり、蝶が大きく浮遊するその下方に

白い裸身の女性がまるで囚われ人のように空中に漂っている。

彼女の大きな刺繍は初めて見た。よほど内向的な素質を持っている人なのだろう。

まるで入れ墨をするようにこの黒いバックに糸を射し込んでいきながら

内界に発見した美とエロスともいうべき命の源泉を表現する。

仰向けのこの裸身の女性は、女性の中に存在するもう一つの女性性とも言えるのだろうか。



「美術の窓」
388 2016年1月号